2011/11/03

Acoustic Sound7 (Amplified Acoustic Sound!!)

超久々の更新ですね。
ずっとアコースティックバンドをやってるもので、マイクで音を拾うことにしてたんですが、ステージで生楽器の音を拾うのはどうも難しく、かつ最近そういうバンドも少ないせいか、PAの方には結構嫌がられるんですよね...。
たしかに、ステージでは、モニターの返しの影響でハウリングしやすくなり、どうしても音量制限されてしまうのは否めず、それでもマイクで拾うのがアコースティックの音としてはベストと信じてたんで、どうしようもないのかな...とあきらめてました。
昨年あたりは、本場NashvilleでGrand Ole Opryという有名なカントリーのラジオ番組の収録を見る機会があったりしたんですが、そこでもやっぱりまだまだマイクで拾ってた人は多数いましたし、その音はピックアップを通した音とは雲泥の差だったんで、やはりマイクで拾った音が一番だなと確信してました。
ただ、それは確かに間違いではないんですが、しかしそれを行うには、それなりの技術やいろんな方々の協力が必要だということに気付いたんです。
また、ステージで音量制限されてしまうと、さっぱり自分たちの音が聞こえず、かなり手探りで音を合わせる様な羽目になるんで、苦しんでたんです。
そんなこんなで、ここ数年はまったくAmplified Acoustic Soundには無関心だったんですが、ふとしたはずみで悪い癖が蘇り、新しいピックアップを探し始めたんですよね。
正直、J-50の音はあまりにも特殊で、マグネットやマグネット+ピエゾなど散々試してきてどうしようもなかったんですから、ピックアップで音を拾うという世界からは対極のところにあると思ってたんで、もう小型マイクで拾うくらいしか手はないな...と思ってましたが、マイクはハウリングに弱いという固定観念もありました。でも、ひょっとして、コンデンサマイクでハウリングに強いものが世の中に出てるかもしれない...という淡い期待もあって、ネットで探してみたんです。
ひょっとすると化けるかも...という期待もあったんですよね。
最初に関心を持ったのは、L.R. BaggsのAnthemだったんですが、やけに高額なのと、音を聴いてみるといまひとつ惹かれなかったので、他を探す事にしました。
そしたら、意外にもあったんですよ!
ピエゾと小型コンデンサマイクの組み合わせということで、かなりリスキーな香りがプンプンなんですが、個人の方がかなり研究を重ねて自作されており、その研究内容が尋常ではなく、ハウリングを極力少なくしつつ、いかにリアルな音を拾うか、というテーマに正面から向き合ってられる真摯な姿勢に感動してしまい、思い切って購入しました。
で、今回買ったのが、TSピックアップというものです。私が買ったのは2Lという一番ベーシックなモデルです。
簡単に言うと、ピエゾ+小型コンデンサマイク+小型プリアンプという構成(さらにマグネットも追加できるものなどいくつかモデルはあり。)で、極めてシンプルな作りです。
こういうことを書くと怒られそうですが、正直第一印象はかなりショボイ感じで、自作ということを差っ引いても、あまり綺麗な作りではなく、不安感もありました。取り付け要領は、HPに詳しく書かれてはいるんですが、個体差が当然あるんで、自分でいろいろと調整しなければならないんですが、ざっくり思い切って付けてしまいました。
さっそく、エレキギターアンプに突っ込んで試してみたんですが、音はちょっと微妙な感じ...。アンプの音量を上げると、ハウリングしてしまい、ちょっと不安な感じ...。しかし、そもそもエレキのアンプに突っ込んでる時点で、めちゃくちゃなんで、ハウリングがまったくしない訳がないわな...と思い、もっとじっくり音を聴こうと、ラインに突っ込んでみたんです。そしたら、なんか悪くない感じ。どこかJ-50のニュアンスが残ってる感じで、それはいままでいろんなピックアップを試した限りでは実現できなかった感じでしたね。ピエゾとコンデンサマイクはブレンドできるんですが、それぞれの音を聴いてみると、ピエゾはやっぱりプリプリ感ありますし、コンデンサマイクも少しこもった印象なんですが、2つをブレンドさせるとなかなかいいのが不思議なんですよね。原音に忠実か?と言われると、間違いなく違うと断言しますが、でも不思議にいい音なんですよね。ステージ映えする音に思えましたね。少なくとも、Cole Clarkとかを使うくらいなら、このピックアップの方がずっといいですね。ひとまず音を気楽に録音するにはいいか...という程度で、使い始めてました。
しかしバンドでステージに立つ機会は多くはないので、その存在を忘れてはいたんですが、ある時、スタジオで練習する機会があり、試しにPAに通してみたんです。そしたら、ビックリ!なんともいい音を出してくれるではないですか。まさにステージ映えする感じがわかるんですよね...。ピックアップを通した音としては、不自然な感じが全くない。J-50のニュアンスも残ってる。
すっかり惚れ込んでしまったんですよ、コイツに。
もちろん、再度繰り返しますが、生音とは違います。でも、いい音なんですよ。これは否定するものではないです。
ストロークしかできないアコギ弾きとしては、フィンガーピッキング主体のピックアップばかりという印象だったんですが、いいものは使う人を選ばない感じですね。
さらに、勢いでついついもう1台買ってしまい、Guild F-412に取り付けたんですが、これまた最高です。こちらも、かつてマグネット+ピエゾを付けてたんですが、マグネットでは低音側で副弦と主弦の音量バランスが悪くなる等ひどいもので、12弦特有の煌めきが失われてしまい、うんざりして取り外してたんですが、TSピックアップを使うと素直にきらびやかな音を拾ってくれます。12弦のほうがむしろ向いているように思いましたね。
生音と違うという点で、意見が分かれるのかもしれませんが、所詮ピックアップを通した時点で生音ではなくなってしまうので、原音が持っているエッセンスがうまくAmplifiedできればいいと割り切れるなら、このピックアップは最高の選択肢になりうると思います。
とにかくはまってますね。心配は、ハウリングくらいですかね。スタジオのPAレベルだったら、ハウリングはしないんですが、ステージではどうかですね。一般的なピエゾ程度のハウリングレベルだったら、十分使えるとは思いますが。