2015/04/18

New My Sweet Guitar(Juan Hernandez Samba)

超ご無沙汰でした。それもそのはずで、もうギターは買うことはまずないかな...って思ってましたし、そのつもりでいました。
Cordobaの安いエレガットを購入して以来、ガットギターの魅力を感じることはできたものの、ギターそのものがショボいだけに、思うように鳴らないし、どうしても気持ちいい音が出せなかったんですよ。自分の力量のせいと思い、牛歩ながら切磋琢磨してきたつもりでしたが、それでもストレスはどんどん溜まってしまい、やっぱりいいガットギターが欲しい!!と強く思ってしまったんですよね...。かなりの言い訳ですね。
ただ、エレガットにすべきかどうかは正直悩みました。バンドでライブで使えるものがいいなぁ...って、まずは当然思うわけですが、でもナイロンの音って結構繊細でして、スクラッチノイズを拾いやすいですし、サスティーンも減衰してしまうし、ピエゾでもコンタクトでもコンデンサーマイクでもイマイチ生とは違う感じがして、いいエレガットって本当に存在するのか?って不安もありました。まずはいいギター買って、後付でピックアップを付けるのがベストな気もしたんですが、基本はボサノヴァ弾き語りでしか使わないんで、ギターそのものにゴージャスな鳴りを求めてもいませんし、クラシックギターのいい音とは違う音を求めているんで、エレガットの方がロックやジャズの弾き手を前提にして作られたものが多数あるんで、思い切って「生演奏でも使える生鳴りのいいエレガット」という現実的ではないようなコンセプトのものを探してみることにしたんです。
いざコンセプトを決めたら、早々に探しはじめてみたんですが、意外にいくつか候補が見つかったんですよ。でも、エレガットなんで、一旦15万円程度の予算というしばりを設定して、さらに絞り込みました。
で、片っぱしからとにかく試してみたんですが、やっぱりなかなか気持ちいいのにぶつからない。2年前に候補に挙げていたYairiやYamahaも改めて試してはみましたが、音は悪くないし使い勝手も良さそうな感じは好感が持てたものの、なんか深みに欠けて、気持ちよくないので、やめました。Antonio Sanchezなどスペイン系も弾いてみたんですが、どうもイマイチ。もしかしてそんなもの、世の中にないんとちゃうか???なんて、正直挫けそうになりました。
なので、仕方なく、覚悟はしてたんですが、20万円以上のクラスにも検討対象を拡げてみようと、ネットで探してみたところ、たまたま偶然なんですが、Juan HernandezのSambaというエレガット(定価26万円相当)のものが中古であったんです!。予算の考えからしたら反則ですが、中古できちんとしてるものだったら、この手がベストやないかい!ってことで、居ても立ってもいられず、とにかく現物触ってみよう!と楽器屋さんを訪ねてみました。そしたらなんと、まだ売れずに残っているではありませんか!目的のものがあったら、もう弾くしかありませんって感じで、とにかく試してみました。音を出したとたん、生音がいい感じ〜。特に低音、小さめのボディから信じられないような低音がドーンと出てくれるんですよね。アンプにつないでも、結構いい音がでる。ただ、ここで冷静な自分がようやく顔を出して来まして、本当に完璧か?と自問してくるんですよ。そう言われると気になるもので、ちょっとしっくりこないところもない訳ではなく、音のバランスというか、4弦の音が少し大きいのが気にはなったんです。しかしそれが致命的か?と言われると、そういうわけではなかったですし、弾き比べた15万円以下のものに比べると断然いいモノであることは明白でした。2年前も思ったことなんですが、ガットギターの世界は購買層が違うんで値段も桁違いの世界だから、どっかで妥協するしかないと再認識して、思い切って買う事にしました。たまたまではありますが、なんとか最初に設定した予算内に収まってくれた訳です。
とはいえ、気になって仕方なかったんで、家に帰って、さっそく生音を試してみました。どうも弦が良くないのか腐っているのか、やっぱりちょっとだけバラバラな感じが気になってしまったので、まずは弦を手配しました。ここ数回Cordobaに張って、気に入っていたAugastineの青にしてみました。こいつは低音がドーンと来るんで、いい感じなんですよ。たぶん張り替えたら良くなるだろうという目算がすぐ働いたんですよね。とにかく届くまで数日待つ事にしました。で、Amazonのおかげで早々に届いたんで、早速張り替えてみたんですが、音は確かによくはなったんですが、いまいち音のバランスは解消されないし、高音の音の抜けがさらに悪くなってしまったんですね。そこで気付いたんですが、Augastineは、鳴らないラミネートボディで硬い音だったCordobaには合ってたのかもしれないですが、Sambaはソリッドボディな分だけトーンが異なり、音に柔らかさがあるし、フラメンコな音ですので、高音に煌びやかさのあるものがあっているように思えて来ました。そうなってくるとまたまた試してみたくなるわけで、今まで使った事のないものを初めて買ってみることにしました。SavarezというフランスのメーカーのNew Cristalというヤツですが、名前からして煌びやかそう!と妄想膨らませつつ、またまたAmazonのお世話になり、早々に入手しました。早速また張り替えてみたところ、これが恐ろしくドンピシャで、かなりいいです!低音ハイテンション、高音ノーマルというタイプですが、高低いずれもいい音してます。弦はこれで決まりですね。
やはりこのギターは結構ポテンシャル高いです。素直ないい音がします。トーンもはっきりしてて、クリアな音がします。すでに6年経過してはいるものの、まだまだいい音出してくれそうな感じもします。
生音はそんな感じなんですが、ではラインではどうかというと、こちらは思った以上に厄介でした。私は基本エフェクトを使わないんで、まずは素直な出音を試してみましたが、なんか冴えません。FishmanのPrefix Pro Blendというシステムが組み込まれてますが、コンデンサーマイクとアンダーサドルのピエゾという2つのピックアップの音をミックスできるというヤツですが、これがかなりの曲者なんですよ。ピエゾについてはかなり不安はありましたが、正直コンデンサーマイクをステージで使えるとも思えず、ミックスできると言っても相当制約されるはずで、まずはピエゾの音だけの出音を試すしかないと思って、イコライジングだけでいろいろとやってはみたんですが、なんか情けない音しか出ません。所詮エレガットはこんなものか…と思いつつ、せっかく高額払った結果が得るもの少ないとあっては悲し過ぎる...という感じで、ちょっとガッカリしてたんですよ
でも、とにかく使うしかないということで、バンドの練習時に何度も繰り返し録音をしてみたんです。なかなかバタバタしてて、その録音をちゃんと聴いてなかったですが、改めて聴いてみたら、なんかそんなに悪くないんですよ。生音とは違って入るんですが、なんとなく使えそうな音が出てます。少しリバーヴを掛けてみると、さらに良くなる。かなり絶望しつつあっただけに、ちょっとだけ希望が湧いて来ました。
その後も、いろいろと試してみたんですが、ちょっとだけコンタクトマイクの音をミックスさせると、さらに良くなることもわかってきました。ただ、コンタクトマイクはステージでは使えないと思った方がいいので、あまり期待しないことにしてますが、近々ステージで試してみるつもりです。ハウリングしないようなら、コンタクトの音を少しブレンドしてみたいと思ってますが、クラシックの奏者と違って、ストラップつけて立って弾くスタイルなので、動き回ったら多分アウトだとは思いますが...。
そんなこんなで、諸手を上げて素晴らしい!とまだ言えないところはありますが、生音はいいのですし、ラインでもそこそこの音が出てくれそうなので、さらにステージで繰り返し試してみて、もう少し最適解を探してみます。
私がヘタクソなので、まだこのギターのポテンシャルを引き出せてないだけだと思います。とにかく筋がいいので、期待できると思います。いいエレガットです。
また試してみて、気が向いたら、何かコメントするかもしれません。
どうせ使い続けるつもりだったら中途半端なものは買わない方がいいということはわかってたつもりでしたが、残念ながらこれによりCordobaは練習用ギターとなりました。近々手放すことになるかと思います。仕方ないですね。

2013/04/27

New My Sweet Guitar (CORDOBA Fusion Orchestra CE)

いや〜、1年半ぶりの投稿ですね....。
まあ、どちらかというと定期的に更新するようなBlogでもないですし、ほとんどアクセスもないんで、どうでもいいんですが。
久々にNew Sweetです。
正直、アコギはJ-50以上の身の丈にあったギターはないので、新たに買おうという気持ちは全く起こらないですし、エレキはフルアコが欲しいとは思うものの、バンドで使う訳でもないので、切迫感もないし...って感じで、ここ数年は特にギターを欲しい!と思う気持ち自体が盛り上がることはなかったんですが、昨年からBrasilに行く機会があり、すっかりBrasil音楽に惚れこんでしまい、私にとって全く視野になかった楽器たち(ガットギター、カバキーニョ、バンジョー等の弦楽器や、豊富なパーカッション)が欲しくてたまらなくなりつつあったんですが、しかしかといってBrasil音楽を演奏するパートナーがいる訳でもなく、そう考えると選択肢も自ずと狭まってくる訳で、まずはガットを手に入れたいと思い始めた次第です。
しかし、ガットはスティール弦の世界と比べると、実に難解!
何が難解かというと、クラシックギターそのものの価格のあり方というか、その価格の特異性は、論理的に整理が難しい...。
第一、私が欲しいのは、あくまでもBrasil音楽で聴ける音なのであって、クラシックではない。別に豊潤な音である必要はなく、素朴で歌を下支えするような音が必要なので、尺度が丸っきり違う。
ただ、今回改めて発見したのは、スティール弦も一緒ですが、入門者用ギターの質が向上してるみたいなんですね。例えば、デザインはアメリカとかスペインで、製作は中国、材は今までより1ランク上ですよ...みたいなパターンが、そんなに数は多くないですが、あるみたいなんです。ただ、前述のクラシック的な価値観でいうと、30万円未満は全部一括りで「入門者用」になるみたいで、その下のクラスを真面目に評する人が少ないことも、なんとなくわかってきました。ただ、我々のような求めているところが違う人間には助かるというか、10万円以下でも十分なものがありそうな気がして、今回10万円超える物を買う必要はないか...と判断して、以下の候補を選びました。まったく知らないメーカーも含んでるんですが、丸っきり知識のない世界なだけに、すべてフェアに私の適当すぎる感性で自由に選んでみました。
判断基準は、
・ステージで使う前提なので、エレガットにする。
・歌伴奏に向いた、控えめな音にする。
・Brasil音楽で聴けるようなチープな音でいい。
の3つで選びました。これで、多くのクラシックギターが自ずと候補から外れるわけですね。候補は以下になりました。

<第一候補>
10万円未満ですね。このクラスが、音的に我慢できる範囲なら、今回はこれにする。ようはまだ手探りですし、所詮はエレガットなので、ピックアップの出音が重要だし、もっと言うと所詮ピックアップ通した出音は差が出にくいので、安物でも十分なはず、という想定です。

・Di Giorgio Tarrega E or Tallent III
実はこれが一番の候補でした。
クラシックギターの価値観からしたら、ゴミ箱行きの要素だらけです。
まず作りはショボイ。Brasilの工業製品のレベルを考えると、頑張ってるとは思うのですが、量産品ながら個体差も大きく、クオリティも低い。
音も、クラシックギターの「いい音」の真逆を行ってる。
ただ、歌伴奏のギターとしてとらえると、このマイナス点が、プラスに働くようなんですね。
ただ、私も正直まだじっくり弾いたことはなく(お試しでちょっと弾いただけ)、本当はBrasilで買ってくるつもりだったんですが、仕事の都合でどうしても購入してくる時間がなかったんですよね...。残念。ただ、試してみたい気持ちは強いので、次回購入する前提で見送りです。(このメーカーだけでなく、Gianniniとかもあるので、次回じっくり比較検討して、良さそうなら購入したいと思います。)

・YAMAHA MCX-700
あえて定番ブランドなんですが、Brasilでは意外に人気なブランドなんです。
特に工業製品としてみた場合、クオリティ高い。
で、あえて候補はエントリーモデルです。
というのも、サイドバックはサペリというマホガニーに近い材ですし、所詮ラミネートなので、これくらいのほうが、歌伴にいいかな...と思った次第です。
ピックアップが上位機種とこのエントリーモデルでも同じというのが、YAMAHAの太っ腹!という感じがして、このモデルを弾いてみたくなった訳です。
ただし、正直、デザインがコンサバで気に入らない。申し訳ないが、あまり格好良さを感じないんですよね...もうちょっとトラッドな感じで良かったような...。あくまでも個人的感想ですが。

・YAMAHA Silent Guitar
これもよくできてますし、Brasilではステージで使ってるプロもいちゃう訳ですが、私もその気持ちは少しはわかります。ほんと、良く出来てます。十分遊べます。
ただ、出音はやっぱり作り物で、工業製品な感じがプンプンで、アコギか?と思うところもあり...という感じです。

・CORDOBA Fusion 12 Rose
これはかなり異色です。まずキクタニという会社が日本では扱ってるんですが、このブランドがどういうブランドかがよくわからない...。どうもアメリカの有名ルシアーが監修してて、製作は中国というパターンのようだが、すいません、私の理解はいまだに間違ってるかもしれません。
入門用ギターの最安値クラスだけを作ってるのか?と思ったんですが、不思議に20万円クラスの高いものもあったりして、狙いがよくわからないところもあるのは、どうも日本でキクタニが扱ってる物が限定的なせいのようで、30万円未満の初心者向けの中で、いろんなニーズに応えようと、幅広くラインナップしてます。(フラメンコ用などバリエーションあります。)
このモデルは、その中でも異色で、トップ材にローズウッドを使ってます。見た目からして、ロックしてるんですが、ネック幅はスティールのアコギに近い幅にしてあって、ロック・フォーク層の取り込みを狙ってるんだなぁ...という感じです。

・CORDOBA Fusion Orchestra CE
本当はBrasilのDi Giorgioが作ってたボサノヴァ黄金時代を支えたギター達のスケール(640mm)やナット幅(50mm)と同一仕様にしたかったんですが、残念ながらこの価格帯ではその仕様を満足するものがなかったんですね。で、このモデルは、ナット幅は48mm、スケールも650mmと、典型的なガットギターなもので、あまり期待はしてませんでした
ただ、トラッドなルックスは悪くないし、標準的な材も悪くないので、候補としました。

<第二候補>
第一候補の価格帯の音がひどかったら、10万円前後も選択肢に入れざるを得ないと考え、候補を一応挙げてました。スティール弦での私の感覚では、10万円出さないといいギターはないと思ってましたので、たぶんそれはガットでも変わらないかも...と思った次第です。

・K. Yairi CE-1D
まあ、オーソドックスなんですが、ヤイリは生音としてはいいので、候補に入れておきました。でも他にないんですよね...。

・YAMAHA NCX-1200
サイドバックまで単板というのは、ちょっと気にはなりますね。

で、最終決定です。
あまり時間もなく、エレガットで実験なので、もう第一候補内で選ぶつもりで楽器屋を巡りました。
ざっと列記します。

・YAMAHAは、残念ながら現物がない!結局NCX-700そのものを触ることができず。
(でもルックスがあまり気に入ってなかったので、それでよしとした。)

・CORDOBA 12 Roseはかなり期待したが、思った程格好よくなく、音もイマイチ

ということで、あまり真剣に考えてなかったCORDOBA Orchestra CEに決めました。
音はイマイチ深みに欠けるし、なんとなくバラバラした音だし、軽い音だし、ピックアップも期待したほどよくなかったけど、まあこの値段ならこれくらいか...と思い、とにかくガットに慣れて、ガットのいい音を引き出せるようになるまでは、これでいいか...なんて感じで、でもルックスはオーソドックスながらもなんか惹かれるものがあったので、これに決めました。
家に帰って来て、弾いてみても、やっぱりなんかショボイ。
音が響かないというか、鳴らないというか、抜けないというか、まあこのクラスなんで仕方ないとはいえ、もうちょっとマシにしたいなぁ...なんて思っちゃった訳で、買った早々にこういう気持ちなのも、この楽器かわいそうすぎるとも思い、以下の見直しにチャレンジしちゃいました。
・弦の見直し
スティールでは私はEverlyをずっと愛用してるんですが、弦で全く音が変わるのは間違いないので、これはガットでも同じだろう!と思い、ネットで調べてみました。
結構詳しく音のニュアンスを文章で書いてるところもあり(これで伝わるのか大いに疑問ですが)、Hannabachというメーカーを見つけたので、それに替えてみました。
・弦高さの見直し
ボサノバでは弦高は低めに設定してるのが一般的なようで、テンションコードなど押さえやすいようにするためには低いほうがいいと思い、ブリッジを削り、低くしました。ついでに弦の当たり方もすこし意識して削ってみました。
・ナットの見直し
ナットの弦幅があってないようだったので、ダイアモンドやすりで削り、うまくはまるようにしました。ついでに弦高も下げてみました。
まあ、あまり劇的な変化は期待してなかったですが、弦を替えるとやはり音が変わってきました。低音・高音ともにかなりいい感じ。弦高を変えたので、かなり弾きやすくなったし、ナットで調整したせいか、低音が響くようになりました。
やっぱり安物ギターで、調整がイマイチでしたが、このギターは材料とかはそれなりなので、うまく鍛えれば化けてくれるかもしれません。なんせ歌伴奏とかBrasil音楽をするにおいては十分な音が出てくれてるし、ピックアップからの出音もいい感じなので、結構使えそうです。
ガットギターって、ちょうどいいサイズで、抱えた感じがとてもいいんですね。今回改めて知りました。ガットの柔らかい音と相俟って、なんともいえない味を出してます。
とにかく、1に練習、2に練習...という感じで、このギターで頑張りたいと思います。
長々と失礼しました。

2011/11/03

Acoustic Sound7 (Amplified Acoustic Sound!!)

超久々の更新ですね。
ずっとアコースティックバンドをやってるもので、マイクで音を拾うことにしてたんですが、ステージで生楽器の音を拾うのはどうも難しく、かつ最近そういうバンドも少ないせいか、PAの方には結構嫌がられるんですよね...。
たしかに、ステージでは、モニターの返しの影響でハウリングしやすくなり、どうしても音量制限されてしまうのは否めず、それでもマイクで拾うのがアコースティックの音としてはベストと信じてたんで、どうしようもないのかな...とあきらめてました。
昨年あたりは、本場NashvilleでGrand Ole Opryという有名なカントリーのラジオ番組の収録を見る機会があったりしたんですが、そこでもやっぱりまだまだマイクで拾ってた人は多数いましたし、その音はピックアップを通した音とは雲泥の差だったんで、やはりマイクで拾った音が一番だなと確信してました。
ただ、それは確かに間違いではないんですが、しかしそれを行うには、それなりの技術やいろんな方々の協力が必要だということに気付いたんです。
また、ステージで音量制限されてしまうと、さっぱり自分たちの音が聞こえず、かなり手探りで音を合わせる様な羽目になるんで、苦しんでたんです。
そんなこんなで、ここ数年はまったくAmplified Acoustic Soundには無関心だったんですが、ふとしたはずみで悪い癖が蘇り、新しいピックアップを探し始めたんですよね。
正直、J-50の音はあまりにも特殊で、マグネットやマグネット+ピエゾなど散々試してきてどうしようもなかったんですから、ピックアップで音を拾うという世界からは対極のところにあると思ってたんで、もう小型マイクで拾うくらいしか手はないな...と思ってましたが、マイクはハウリングに弱いという固定観念もありました。でも、ひょっとして、コンデンサマイクでハウリングに強いものが世の中に出てるかもしれない...という淡い期待もあって、ネットで探してみたんです。
ひょっとすると化けるかも...という期待もあったんですよね。
最初に関心を持ったのは、L.R. BaggsのAnthemだったんですが、やけに高額なのと、音を聴いてみるといまひとつ惹かれなかったので、他を探す事にしました。
そしたら、意外にもあったんですよ!
ピエゾと小型コンデンサマイクの組み合わせということで、かなりリスキーな香りがプンプンなんですが、個人の方がかなり研究を重ねて自作されており、その研究内容が尋常ではなく、ハウリングを極力少なくしつつ、いかにリアルな音を拾うか、というテーマに正面から向き合ってられる真摯な姿勢に感動してしまい、思い切って購入しました。
で、今回買ったのが、TSピックアップというものです。私が買ったのは2Lという一番ベーシックなモデルです。
簡単に言うと、ピエゾ+小型コンデンサマイク+小型プリアンプという構成(さらにマグネットも追加できるものなどいくつかモデルはあり。)で、極めてシンプルな作りです。
こういうことを書くと怒られそうですが、正直第一印象はかなりショボイ感じで、自作ということを差っ引いても、あまり綺麗な作りではなく、不安感もありました。取り付け要領は、HPに詳しく書かれてはいるんですが、個体差が当然あるんで、自分でいろいろと調整しなければならないんですが、ざっくり思い切って付けてしまいました。
さっそく、エレキギターアンプに突っ込んで試してみたんですが、音はちょっと微妙な感じ...。アンプの音量を上げると、ハウリングしてしまい、ちょっと不安な感じ...。しかし、そもそもエレキのアンプに突っ込んでる時点で、めちゃくちゃなんで、ハウリングがまったくしない訳がないわな...と思い、もっとじっくり音を聴こうと、ラインに突っ込んでみたんです。そしたら、なんか悪くない感じ。どこかJ-50のニュアンスが残ってる感じで、それはいままでいろんなピックアップを試した限りでは実現できなかった感じでしたね。ピエゾとコンデンサマイクはブレンドできるんですが、それぞれの音を聴いてみると、ピエゾはやっぱりプリプリ感ありますし、コンデンサマイクも少しこもった印象なんですが、2つをブレンドさせるとなかなかいいのが不思議なんですよね。原音に忠実か?と言われると、間違いなく違うと断言しますが、でも不思議にいい音なんですよね。ステージ映えする音に思えましたね。少なくとも、Cole Clarkとかを使うくらいなら、このピックアップの方がずっといいですね。ひとまず音を気楽に録音するにはいいか...という程度で、使い始めてました。
しかしバンドでステージに立つ機会は多くはないので、その存在を忘れてはいたんですが、ある時、スタジオで練習する機会があり、試しにPAに通してみたんです。そしたら、ビックリ!なんともいい音を出してくれるではないですか。まさにステージ映えする感じがわかるんですよね...。ピックアップを通した音としては、不自然な感じが全くない。J-50のニュアンスも残ってる。
すっかり惚れ込んでしまったんですよ、コイツに。
もちろん、再度繰り返しますが、生音とは違います。でも、いい音なんですよ。これは否定するものではないです。
ストロークしかできないアコギ弾きとしては、フィンガーピッキング主体のピックアップばかりという印象だったんですが、いいものは使う人を選ばない感じですね。
さらに、勢いでついついもう1台買ってしまい、Guild F-412に取り付けたんですが、これまた最高です。こちらも、かつてマグネット+ピエゾを付けてたんですが、マグネットでは低音側で副弦と主弦の音量バランスが悪くなる等ひどいもので、12弦特有の煌めきが失われてしまい、うんざりして取り外してたんですが、TSピックアップを使うと素直にきらびやかな音を拾ってくれます。12弦のほうがむしろ向いているように思いましたね。
生音と違うという点で、意見が分かれるのかもしれませんが、所詮ピックアップを通した時点で生音ではなくなってしまうので、原音が持っているエッセンスがうまくAmplifiedできればいいと割り切れるなら、このピックアップは最高の選択肢になりうると思います。
とにかくはまってますね。心配は、ハウリングくらいですかね。スタジオのPAレベルだったら、ハウリングはしないんですが、ステージではどうかですね。一般的なピエゾ程度のハウリングレベルだったら、十分使えるとは思いますが。

2010/05/08

New My Sweet Guitar (Silvertone Amp in case model1448)

新しい仲間が増えました。
とあるところでこのギターを試奏させてもらったときからずっと気にはなってたんですが、いわゆるプレイヤーズコンディションで価格が安いモノが見つかり、見栄えを気にしない性分なので、思い切って購入しました。
面白いギターです。
1ピックアップという潔さもいいですが、なんとなくギターの概念を根底から覆した様な感すらあり、チープな作りなのに(だからか)、出音は泥臭く粘り強い感じで、素晴らしいです。
やはりリップスティックピックアップに負うところは大きいんですが、ユルユルのテンションや、ショートスケールや、セミホロウ構造といったところも、それに加担してるのは間違いないでしょう。
とにかく、メチャクチャ弾きやすいです。
もちろんいろんな音なんて出るはずもないですが、私の場合はアコギのように歌モノのバックアップをしてくれるギターであれば十分なんで、取扱いのしやすさやルックスも含めると、もう最高ですね。
もちろんリッチな音ではないのは、間違いありません。いわゆるスタンダードな音を期待する人もいないとは思いますが、そういう人には間違いなく不向きです。アンプにつないでない音は三味線のようにペンペンで、それをアンプにつないでもそのまま増幅されて出てくる...という感じです。個人的には、アコギの癖もあってミュートが甘いんですが、こいつだとそのユルユルさのおかげか、気にならないですね。
実際にバンドで使ってみて思うのは、意外にノイズの少ないことですね。テレキャスを使ってきたんで、ずっとノイズが当たり前のようになってましたが、こいつはそれと比べるとはるかにマシです。シングルコイルの音ではありますが、なんか図太いんですよね。
そんな1448ですが、強いて欠点を言うならば、やはりチューナーですね。ギヤ比のせいなんでしょうけど、ちょっと回すと大きく動くんで、合わせるのが難しいです。私のは初期のオープンギヤー型で、後期のものと比べると狂いは少ないらしいですが、正直思ったよりは使えます。合わせが面倒臭くなって、思い切って交換するか!とも思ったんですが、6連の特殊なのはさすがにないし、1個ずつのバラなタイプにすればいいとしても穴をあけなおすのもちょっとなぁ...ということで、そのまま使ってます。まあ耐えられる範囲ですね。最近のギターのように比較的正確なピッチのものに慣れた人だと、かなりいらつくかもしれませんね。オープンハイコードなんか使ったら、怪しさ増幅です。(この怪しさも魅力に思えてきます...変態ですね。)
アンプについては、正直まるっきり使ってないんで特にコメントしません。ゴメンナサイ、音も出してません。
結論としては、客観的に見ると、使える場面が限られそうな音ではあるとは思います。
でも、私の場合は、それを敢えていろんな場面に使ってあげたいな...と思う次第です。それがなんとなくこのギターのためにはいいような気がするんですよね...。元々はいわゆるビギナー向けだった訳で、別にブルースとかやるためのギターを意図したものではないですし、かといって意外にしっかり使えたりするんで、ガンガン使ってあげるべきでしょう。
まあ、私自身のスタイルには、こういうB級なニオイがマッチしてますんで、しっくり来るというのもあるんですよね...。
まさにこういう出音が欲しい!という人には、たまらないギターでしょうね。ルックスだけでも楽しくはなりますよ。
ということで、私自身は元々エレキに対してはかなり割り切ってる方なので、とにかくこのギターは最高です。ショートスケールのギターっていうだけでも、なかなかありませんので。
やっと自分にあったエレキに出会った気がします。これぞMy Sweetって感じですね。

2009/07/05

Go! J-50 Go!

改めてJ-50を見直してます。
アジャスタブルブリッジの音はかなり変わってるし、音は鳴らないし、チューニングもしづらいし、フレットもピッチが怪しいし、ボディ自体も雑な作りだし、異様に細いネックはアルペジオには使いづらいし、ルックスもJ-45やサザンジャンボの方が個性的だし、などなど正直使って行くうちに不満が出てくる。
おまけに、ロックバンドの中で使おうとすると、今流行りのピックアップシステムもかなり使える物が限定される(ブリッジに取り付けるピエゾタイプはNG)し、狭い選択肢の中から選んだ物を取り付けて使ってみてもさらにショボい音になってしまう始末で、扱いづらいという思いが強くなっていた。
ただ、そんな思いがあったとしても、ずっと揺るがなかったのは、ストローク音の気持ち良さである。この点に関しては、上述した欠点がすべて利点になる。アジャスタブルブリッジの硬質な音はきらめきを与えてくれるし、ボディ鳴りも伸びないサスティーンがいい。怪しいピッチも全体のバランスさえ気をつければいい。細いネックも素早いコードチェンジには最適だし、エレキを使っているかの様。オープンハイコードやバレーしないハイコードにも最適。雑な作りのせいか、低音の鳴りもミュート掛かっている感じがあって、ドンとなってもくれるんで、頼もしい。とにかくストロークで出る音が一つの塊のような感じで、ビンビン響くんですよね。
まあ、ピックアップシステムにしても、結局生音ではなく、今流行りのエレアコを目指しているつもりは全くないし(あの音はアコースティックではないでしょう。)、こういう超特殊ギターを念頭に置いた物ではないこともわかったんで、正直使いたいとも思わない。塊感を拾ってくれるようなものではないんですよね。
ということで、J-50は一人で弾き語りする分には、こんなに気持ちのいいギターはない!と結論づけてはいたんですね。
で、ここ数年はアコースティックな楽器だけのバンドを始めたんですが、またまたこのJ-50の素晴らしさを最近感じてるんですよね。
アコースティック楽器だけだと、基本的に普段はマイクは使わないし、ステージでもマイキングでやれるんで、ピックアップという問題は無関係になったんですが、これがきっかけで、それぞれの生音を常に聞く環境になったんです。ロックバンドだとどうしても音量勝負というところがあって、じっくり音を聞くのが難しかったんですね。(メンバー次第なんでしょうけど)
ピアノの音や、アップライトベースの音や、別のアコギの音、といった音の中に混じってみると、J-50の音は結構前に出てくれるんですよ。それも邪魔することなく。一番驚くのはピアノとの相性で、アルベジオでも抜群に存在感を放ちます。ピアノとは対照的な音のせいなんでしょうかね。恐らくブライトなアジャスタブルブリッジの音とか、適度に音がミュートされるような感じとか、ちょっと怪しい音の震えとかのせいじゃないかと思うんですよ。ピアノはこれ以上ワイドレンジで音が出せる代物はないと思うんですが、例えばアップライトだと音のぶつかりがあったりするし、ギターでもひょっとしたらマーチンとかだったらぶつかってしまうんじゃないかと思いますね。(一度マーチンのコピー系を使ってみたら、J-50ほどの効果はなかったです。)
そうなってくると、ガラッと見方も変わってしまって、アルペジオにしても、確かに指で弾くスタイルは相当ピッキング力を要求されますが、ピックで弾くと他のアコースティックでは出ないようなブライトで早い減衰の音が出ます。歌のバッキングだけ使う前提ならば、J-50は最高なんじゃないかと思うんですよね。(歌モノのソロでも威力を発揮します。)
ピックギターを念頭において作ったアコギなんで、アコースティックアンサンブルや弾き語りで効果を発揮するというのが製作者の意図だったような気もしますし、改めて自分でも体感しただけなんですけどね。
まあラウンドショルダー系が異常な高値になってしまってるんで、コストパフォーマンスが現時点で優れているかどうかと言われると、疑問もありますが、唯一無二の音なんで、もし万が一今のJ-50が壊れてしまったとしたら、私はやっぱり同じレベルのJ-50を探してしまうんだろうなぁ...と思います。

2009/01/24

The continuing story of Lazy River

年を越してからも、やはりこの楽器にはまっている。
前回も書いたが、オリジナルにはない材質なので、当然トーンは変わってくる。ただ、どうしてもOriginal Weissenbornでないと駄目だ!という硬派ではないし、もっと広義に考えれば、むしろこいつはさらに遡ってKnutsenに近いのかもしれない。(Knutsenは見たことも触ったこともないので、わからないが。)いずれにしても、この楽器との付き合い方は別に流儀があるものでもなく、チューニング同様自由であっていいんだ!と自分なりに解釈している。
まだまだ音が若いのは否めないものの、前回も書いたのでくどいようだが、美しい倍音とはっきりした音の輪郭は、他では得難いものもあり、これからが楽しみでもある。なんか素朴な音で、軽い音だったりもするんだけど、深みもあるのが不思議だ。
言葉では語り尽くせない感あるが、この楽器の音を知るには、Fred Kinbomという人がYouTubeに動画をたくさんアップしてるので参考になるかと思う。(この人の音楽もかなり変わってる。)ちょっと音がいいとは言い難い録音状態のものあるが、却ってそのほうが生々しい感じすらする。特にノンエコーのものは生に近い音が聞ける。他には、前回紹介したPanco MusicのHPにも音源があるが、かなりエコー等掛かっているのと、上手過ぎるのもあって、個人的にはイメージが湧きにくい気がする。
いずれにせよ、一度体験してもらいたい世界ですね。

2008/12/30

New My Sweet Guitar (Lazy River)

今年最後にギリギリなんとか間に合ったのだが、ようやく新しいAcoustic Lap Steelをゲットした。
その名はLazy River。
前回紹介した通り愛用してきたCole ClarkやWeisenborn SSなどの犠牲を払って、その原資で一気に購入。
私が狙っていたのは、
・今迄買ってきたコピーものの量産品クラスの価格帯+α
・フレットワイヤーなど基本的な鳴りの部分に妥協がないこと
という2点で、正直かなり欲張っているのは十分わかっていた。そういう意味ではR&Bellを買うのが一番手っ取り早い感もあったが、敢えて+αという部分にこだわってみた。
で、いろいろ探しまくった結果、出会ったのがこのLazy Riverである。
ランスホワイトというルシアーが作っている完全受注生産品であり、ハンドメイドである。にもかかわらず、ルシアーが作っているギターの価格帯から考えると、正直30〜40%安いのだ。しかもいろんなところで評判になっている。
特に後押しされたのは、すぎの暢さんが個人的に日本での輸入代行をされていたことだ。すぎのさんは有名な日本人Lap Steel Guiar奏者であり、私もよくすぎのさんのHPを見て参考にさせてもらってた。おまけにAcoustic Guitar Magazineにもご本人が登場され、このLazy Riverを紹介されていたのだ。
すぎのさんは、Lazy Riverを販売されるのに、専用のHPも開設されていたのだが、最初まさかすぎのさん自身が取扱されているとは想定できてなくて、怪しいHPと思い込んでしまって、ちょっと失礼な問い合わせ方をしてしまったのだが、さすがプレイヤーということもあって、かなりきめ細やかにフォローして戴けました。(感謝です。)
発注してから、ざっくり2ヶ月掛かりましたが、これでも最短だと思います。(たまたま在庫があったもので。)
で、ようやく届いたんですが、正直このコストパフォーマンスは驚きです。はっきりいって今迄使ってきたものとも違いますし、同格のR&Bellとも違って、一線画している感ありです。
しかも、なんとなくさりげない感じがまたいいですね。自己主張が強くないです。
・とにかく倍音が凄く、美しい響き
・粒立ちが良く、柔らかい音だがトーンははっきりしている
・音量があるのに、音が潰れない
・軽くて扱い易い
・かなり美しい木目
という感じです。
正直楽器としての欠点はほとんど見当たらないですが、敢えて好みだけで挙げるとしたら、
・サテンの塗装は個人的にはあまり好きではない。(本当はサテンの方がいいらしい?)
・Weissenbornそのもののレプリカか?と言われると、違う。(材質も大きく違うので、これは仕方ない!)
という感じですが、元々レプリカにこだわってるつもりもなく、かなり自由にこの楽器に取り組んでるんで、まるっきり気にしてません。
他に同じ物がない、個性的な音を出せる、などなど、音楽を自分なりに咀嚼して楽しみたい方にはもってこいの楽器だと思います。
これでAcoustic Lap Steelは打ち止めです。
興味のある方は、Panco Music(Lazy Riverの日本での輸入代理元)http://www.pancomusic.com/をのぞいてみてください。