2009/07/05

Go! J-50 Go!

改めてJ-50を見直してます。
アジャスタブルブリッジの音はかなり変わってるし、音は鳴らないし、チューニングもしづらいし、フレットもピッチが怪しいし、ボディ自体も雑な作りだし、異様に細いネックはアルペジオには使いづらいし、ルックスもJ-45やサザンジャンボの方が個性的だし、などなど正直使って行くうちに不満が出てくる。
おまけに、ロックバンドの中で使おうとすると、今流行りのピックアップシステムもかなり使える物が限定される(ブリッジに取り付けるピエゾタイプはNG)し、狭い選択肢の中から選んだ物を取り付けて使ってみてもさらにショボい音になってしまう始末で、扱いづらいという思いが強くなっていた。
ただ、そんな思いがあったとしても、ずっと揺るがなかったのは、ストローク音の気持ち良さである。この点に関しては、上述した欠点がすべて利点になる。アジャスタブルブリッジの硬質な音はきらめきを与えてくれるし、ボディ鳴りも伸びないサスティーンがいい。怪しいピッチも全体のバランスさえ気をつければいい。細いネックも素早いコードチェンジには最適だし、エレキを使っているかの様。オープンハイコードやバレーしないハイコードにも最適。雑な作りのせいか、低音の鳴りもミュート掛かっている感じがあって、ドンとなってもくれるんで、頼もしい。とにかくストロークで出る音が一つの塊のような感じで、ビンビン響くんですよね。
まあ、ピックアップシステムにしても、結局生音ではなく、今流行りのエレアコを目指しているつもりは全くないし(あの音はアコースティックではないでしょう。)、こういう超特殊ギターを念頭に置いた物ではないこともわかったんで、正直使いたいとも思わない。塊感を拾ってくれるようなものではないんですよね。
ということで、J-50は一人で弾き語りする分には、こんなに気持ちのいいギターはない!と結論づけてはいたんですね。
で、ここ数年はアコースティックな楽器だけのバンドを始めたんですが、またまたこのJ-50の素晴らしさを最近感じてるんですよね。
アコースティック楽器だけだと、基本的に普段はマイクは使わないし、ステージでもマイキングでやれるんで、ピックアップという問題は無関係になったんですが、これがきっかけで、それぞれの生音を常に聞く環境になったんです。ロックバンドだとどうしても音量勝負というところがあって、じっくり音を聞くのが難しかったんですね。(メンバー次第なんでしょうけど)
ピアノの音や、アップライトベースの音や、別のアコギの音、といった音の中に混じってみると、J-50の音は結構前に出てくれるんですよ。それも邪魔することなく。一番驚くのはピアノとの相性で、アルベジオでも抜群に存在感を放ちます。ピアノとは対照的な音のせいなんでしょうかね。恐らくブライトなアジャスタブルブリッジの音とか、適度に音がミュートされるような感じとか、ちょっと怪しい音の震えとかのせいじゃないかと思うんですよ。ピアノはこれ以上ワイドレンジで音が出せる代物はないと思うんですが、例えばアップライトだと音のぶつかりがあったりするし、ギターでもひょっとしたらマーチンとかだったらぶつかってしまうんじゃないかと思いますね。(一度マーチンのコピー系を使ってみたら、J-50ほどの効果はなかったです。)
そうなってくると、ガラッと見方も変わってしまって、アルペジオにしても、確かに指で弾くスタイルは相当ピッキング力を要求されますが、ピックで弾くと他のアコースティックでは出ないようなブライトで早い減衰の音が出ます。歌のバッキングだけ使う前提ならば、J-50は最高なんじゃないかと思うんですよね。(歌モノのソロでも威力を発揮します。)
ピックギターを念頭において作ったアコギなんで、アコースティックアンサンブルや弾き語りで効果を発揮するというのが製作者の意図だったような気もしますし、改めて自分でも体感しただけなんですけどね。
まあラウンドショルダー系が異常な高値になってしまってるんで、コストパフォーマンスが現時点で優れているかどうかと言われると、疑問もありますが、唯一無二の音なんで、もし万が一今のJ-50が壊れてしまったとしたら、私はやっぱり同じレベルのJ-50を探してしまうんだろうなぁ...と思います。

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