2013/04/27

New My Sweet Guitar (CORDOBA Fusion Orchestra CE)

いや〜、1年半ぶりの投稿ですね....。
まあ、どちらかというと定期的に更新するようなBlogでもないですし、ほとんどアクセスもないんで、どうでもいいんですが。
久々にNew Sweetです。
正直、アコギはJ-50以上の身の丈にあったギターはないので、新たに買おうという気持ちは全く起こらないですし、エレキはフルアコが欲しいとは思うものの、バンドで使う訳でもないので、切迫感もないし...って感じで、ここ数年は特にギターを欲しい!と思う気持ち自体が盛り上がることはなかったんですが、昨年からBrasilに行く機会があり、すっかりBrasil音楽に惚れこんでしまい、私にとって全く視野になかった楽器たち(ガットギター、カバキーニョ、バンジョー等の弦楽器や、豊富なパーカッション)が欲しくてたまらなくなりつつあったんですが、しかしかといってBrasil音楽を演奏するパートナーがいる訳でもなく、そう考えると選択肢も自ずと狭まってくる訳で、まずはガットを手に入れたいと思い始めた次第です。
しかし、ガットはスティール弦の世界と比べると、実に難解!
何が難解かというと、クラシックギターそのものの価格のあり方というか、その価格の特異性は、論理的に整理が難しい...。
第一、私が欲しいのは、あくまでもBrasil音楽で聴ける音なのであって、クラシックではない。別に豊潤な音である必要はなく、素朴で歌を下支えするような音が必要なので、尺度が丸っきり違う。
ただ、今回改めて発見したのは、スティール弦も一緒ですが、入門者用ギターの質が向上してるみたいなんですね。例えば、デザインはアメリカとかスペインで、製作は中国、材は今までより1ランク上ですよ...みたいなパターンが、そんなに数は多くないですが、あるみたいなんです。ただ、前述のクラシック的な価値観でいうと、30万円未満は全部一括りで「入門者用」になるみたいで、その下のクラスを真面目に評する人が少ないことも、なんとなくわかってきました。ただ、我々のような求めているところが違う人間には助かるというか、10万円以下でも十分なものがありそうな気がして、今回10万円超える物を買う必要はないか...と判断して、以下の候補を選びました。まったく知らないメーカーも含んでるんですが、丸っきり知識のない世界なだけに、すべてフェアに私の適当すぎる感性で自由に選んでみました。
判断基準は、
・ステージで使う前提なので、エレガットにする。
・歌伴奏に向いた、控えめな音にする。
・Brasil音楽で聴けるようなチープな音でいい。
の3つで選びました。これで、多くのクラシックギターが自ずと候補から外れるわけですね。候補は以下になりました。

<第一候補>
10万円未満ですね。このクラスが、音的に我慢できる範囲なら、今回はこれにする。ようはまだ手探りですし、所詮はエレガットなので、ピックアップの出音が重要だし、もっと言うと所詮ピックアップ通した出音は差が出にくいので、安物でも十分なはず、という想定です。

・Di Giorgio Tarrega E or Tallent III
実はこれが一番の候補でした。
クラシックギターの価値観からしたら、ゴミ箱行きの要素だらけです。
まず作りはショボイ。Brasilの工業製品のレベルを考えると、頑張ってるとは思うのですが、量産品ながら個体差も大きく、クオリティも低い。
音も、クラシックギターの「いい音」の真逆を行ってる。
ただ、歌伴奏のギターとしてとらえると、このマイナス点が、プラスに働くようなんですね。
ただ、私も正直まだじっくり弾いたことはなく(お試しでちょっと弾いただけ)、本当はBrasilで買ってくるつもりだったんですが、仕事の都合でどうしても購入してくる時間がなかったんですよね...。残念。ただ、試してみたい気持ちは強いので、次回購入する前提で見送りです。(このメーカーだけでなく、Gianniniとかもあるので、次回じっくり比較検討して、良さそうなら購入したいと思います。)

・YAMAHA MCX-700
あえて定番ブランドなんですが、Brasilでは意外に人気なブランドなんです。
特に工業製品としてみた場合、クオリティ高い。
で、あえて候補はエントリーモデルです。
というのも、サイドバックはサペリというマホガニーに近い材ですし、所詮ラミネートなので、これくらいのほうが、歌伴にいいかな...と思った次第です。
ピックアップが上位機種とこのエントリーモデルでも同じというのが、YAMAHAの太っ腹!という感じがして、このモデルを弾いてみたくなった訳です。
ただし、正直、デザインがコンサバで気に入らない。申し訳ないが、あまり格好良さを感じないんですよね...もうちょっとトラッドな感じで良かったような...。あくまでも個人的感想ですが。

・YAMAHA Silent Guitar
これもよくできてますし、Brasilではステージで使ってるプロもいちゃう訳ですが、私もその気持ちは少しはわかります。ほんと、良く出来てます。十分遊べます。
ただ、出音はやっぱり作り物で、工業製品な感じがプンプンで、アコギか?と思うところもあり...という感じです。

・CORDOBA Fusion 12 Rose
これはかなり異色です。まずキクタニという会社が日本では扱ってるんですが、このブランドがどういうブランドかがよくわからない...。どうもアメリカの有名ルシアーが監修してて、製作は中国というパターンのようだが、すいません、私の理解はいまだに間違ってるかもしれません。
入門用ギターの最安値クラスだけを作ってるのか?と思ったんですが、不思議に20万円クラスの高いものもあったりして、狙いがよくわからないところもあるのは、どうも日本でキクタニが扱ってる物が限定的なせいのようで、30万円未満の初心者向けの中で、いろんなニーズに応えようと、幅広くラインナップしてます。(フラメンコ用などバリエーションあります。)
このモデルは、その中でも異色で、トップ材にローズウッドを使ってます。見た目からして、ロックしてるんですが、ネック幅はスティールのアコギに近い幅にしてあって、ロック・フォーク層の取り込みを狙ってるんだなぁ...という感じです。

・CORDOBA Fusion Orchestra CE
本当はBrasilのDi Giorgioが作ってたボサノヴァ黄金時代を支えたギター達のスケール(640mm)やナット幅(50mm)と同一仕様にしたかったんですが、残念ながらこの価格帯ではその仕様を満足するものがなかったんですね。で、このモデルは、ナット幅は48mm、スケールも650mmと、典型的なガットギターなもので、あまり期待はしてませんでした
ただ、トラッドなルックスは悪くないし、標準的な材も悪くないので、候補としました。

<第二候補>
第一候補の価格帯の音がひどかったら、10万円前後も選択肢に入れざるを得ないと考え、候補を一応挙げてました。スティール弦での私の感覚では、10万円出さないといいギターはないと思ってましたので、たぶんそれはガットでも変わらないかも...と思った次第です。

・K. Yairi CE-1D
まあ、オーソドックスなんですが、ヤイリは生音としてはいいので、候補に入れておきました。でも他にないんですよね...。

・YAMAHA NCX-1200
サイドバックまで単板というのは、ちょっと気にはなりますね。

で、最終決定です。
あまり時間もなく、エレガットで実験なので、もう第一候補内で選ぶつもりで楽器屋を巡りました。
ざっと列記します。

・YAMAHAは、残念ながら現物がない!結局NCX-700そのものを触ることができず。
(でもルックスがあまり気に入ってなかったので、それでよしとした。)

・CORDOBA 12 Roseはかなり期待したが、思った程格好よくなく、音もイマイチ

ということで、あまり真剣に考えてなかったCORDOBA Orchestra CEに決めました。
音はイマイチ深みに欠けるし、なんとなくバラバラした音だし、軽い音だし、ピックアップも期待したほどよくなかったけど、まあこの値段ならこれくらいか...と思い、とにかくガットに慣れて、ガットのいい音を引き出せるようになるまでは、これでいいか...なんて感じで、でもルックスはオーソドックスながらもなんか惹かれるものがあったので、これに決めました。
家に帰って来て、弾いてみても、やっぱりなんかショボイ。
音が響かないというか、鳴らないというか、抜けないというか、まあこのクラスなんで仕方ないとはいえ、もうちょっとマシにしたいなぁ...なんて思っちゃった訳で、買った早々にこういう気持ちなのも、この楽器かわいそうすぎるとも思い、以下の見直しにチャレンジしちゃいました。
・弦の見直し
スティールでは私はEverlyをずっと愛用してるんですが、弦で全く音が変わるのは間違いないので、これはガットでも同じだろう!と思い、ネットで調べてみました。
結構詳しく音のニュアンスを文章で書いてるところもあり(これで伝わるのか大いに疑問ですが)、Hannabachというメーカーを見つけたので、それに替えてみました。
・弦高さの見直し
ボサノバでは弦高は低めに設定してるのが一般的なようで、テンションコードなど押さえやすいようにするためには低いほうがいいと思い、ブリッジを削り、低くしました。ついでに弦の当たり方もすこし意識して削ってみました。
・ナットの見直し
ナットの弦幅があってないようだったので、ダイアモンドやすりで削り、うまくはまるようにしました。ついでに弦高も下げてみました。
まあ、あまり劇的な変化は期待してなかったですが、弦を替えるとやはり音が変わってきました。低音・高音ともにかなりいい感じ。弦高を変えたので、かなり弾きやすくなったし、ナットで調整したせいか、低音が響くようになりました。
やっぱり安物ギターで、調整がイマイチでしたが、このギターは材料とかはそれなりなので、うまく鍛えれば化けてくれるかもしれません。なんせ歌伴奏とかBrasil音楽をするにおいては十分な音が出てくれてるし、ピックアップからの出音もいい感じなので、結構使えそうです。
ガットギターって、ちょうどいいサイズで、抱えた感じがとてもいいんですね。今回改めて知りました。ガットの柔らかい音と相俟って、なんともいえない味を出してます。
とにかく、1に練習、2に練習...という感じで、このギターで頑張りたいと思います。
長々と失礼しました。

1 件のコメント:

sk_nhw さんのコメント...

その後ライブでも使ってみましたが、難しいですね。
売りのピックアップも、いわゆる「いい音」とは言い難く、アンダーサドルのピエゾはやっぱりプリプリですし、マイクも結構フィードバックします。ピックアップなしで「いい音」のするギターを買って、素直な出音のTSピックアップを取り付けるのが正解の様な気がしますね。
ついでに、ヤマハの廉価モデルも試奏させてもらいましたが、同等でした。ちょっと安心。