2008/12/30

New My Sweet Guitar (Lazy River)

今年最後にギリギリなんとか間に合ったのだが、ようやく新しいAcoustic Lap Steelをゲットした。
その名はLazy River。
前回紹介した通り愛用してきたCole ClarkやWeisenborn SSなどの犠牲を払って、その原資で一気に購入。
私が狙っていたのは、
・今迄買ってきたコピーものの量産品クラスの価格帯+α
・フレットワイヤーなど基本的な鳴りの部分に妥協がないこと
という2点で、正直かなり欲張っているのは十分わかっていた。そういう意味ではR&Bellを買うのが一番手っ取り早い感もあったが、敢えて+αという部分にこだわってみた。
で、いろいろ探しまくった結果、出会ったのがこのLazy Riverである。
ランスホワイトというルシアーが作っている完全受注生産品であり、ハンドメイドである。にもかかわらず、ルシアーが作っているギターの価格帯から考えると、正直30〜40%安いのだ。しかもいろんなところで評判になっている。
特に後押しされたのは、すぎの暢さんが個人的に日本での輸入代行をされていたことだ。すぎのさんは有名な日本人Lap Steel Guiar奏者であり、私もよくすぎのさんのHPを見て参考にさせてもらってた。おまけにAcoustic Guitar Magazineにもご本人が登場され、このLazy Riverを紹介されていたのだ。
すぎのさんは、Lazy Riverを販売されるのに、専用のHPも開設されていたのだが、最初まさかすぎのさん自身が取扱されているとは想定できてなくて、怪しいHPと思い込んでしまって、ちょっと失礼な問い合わせ方をしてしまったのだが、さすがプレイヤーということもあって、かなりきめ細やかにフォローして戴けました。(感謝です。)
発注してから、ざっくり2ヶ月掛かりましたが、これでも最短だと思います。(たまたま在庫があったもので。)
で、ようやく届いたんですが、正直このコストパフォーマンスは驚きです。はっきりいって今迄使ってきたものとも違いますし、同格のR&Bellとも違って、一線画している感ありです。
しかも、なんとなくさりげない感じがまたいいですね。自己主張が強くないです。
・とにかく倍音が凄く、美しい響き
・粒立ちが良く、柔らかい音だがトーンははっきりしている
・音量があるのに、音が潰れない
・軽くて扱い易い
・かなり美しい木目
という感じです。
正直楽器としての欠点はほとんど見当たらないですが、敢えて好みだけで挙げるとしたら、
・サテンの塗装は個人的にはあまり好きではない。(本当はサテンの方がいいらしい?)
・Weissenbornそのもののレプリカか?と言われると、違う。(材質も大きく違うので、これは仕方ない!)
という感じですが、元々レプリカにこだわってるつもりもなく、かなり自由にこの楽器に取り組んでるんで、まるっきり気にしてません。
他に同じ物がない、個性的な音を出せる、などなど、音楽を自分なりに咀嚼して楽しみたい方にはもってこいの楽器だと思います。
これでAcoustic Lap Steelは打ち止めです。
興味のある方は、Panco Music(Lazy Riverの日本での輸入代理元)http://www.pancomusic.com/をのぞいてみてください。

2008/10/18

Bye Bye My Sweet!

次の野望に向けて、いよいよ余剰ギターの整理に着手。
生音が好きになれないCole Clarkなど数台を一気にNet Auctionに出品。
はじめての経験だったが、なんとか全数買ってもらえたのは、正直嬉しかった。
楽器屋の下取りは、楽器屋の実態とかその楽器の評判とか個体そのものの状況(かなり辛口に査定される)はわかるが、なかなか納得できる金額ではない。その点Auctionでは、試奏ができないとか、だまされてしまうかも、といったリスクはあるが、実際はそれなりに相場感も働いていて、買う方は楽器屋で買うよりは安いし、売る方は楽器屋に売るよりも得、というところで妥結点があるように思われる。
さて、次の野望だが、やはりフレットワイヤーのアコースティックラップスティールに惹かれてしまい、手に入れたくなったということで、今回の成果をまとめてドンと投入するつもり。と言いつつ、そんなに大金が集まるはずもなく、しかしそう腹を決めたら、やはりどんどん深みにはまって野望が膨らんで行く...。最初はR&Bellでも手に入れるか、と軽い気持ちだったが、どうせ買うなら悔いがないように分不相応ではない範囲でそれなりに良いものが欲しい!となる。それに応じて、手放すMy Sweetも増やさざるをえないのだが、これがまたかなり苦渋の選択で、正直ちょっとなぁ...と一抹のさびしさがなくもないですが、大英断をしている次第。
肝心の新しいアコースティックラップスティールの候補だが、元々選択肢が少ない機種なのに、さらにその中で「分不相応でなく」「良いもの」となると、なおさら選択肢が限られてくるわけで、今までとはちょっと違ったアプローチをせざるを得ないということで、チャレンジしはじめてます。
「とにかく焦ってやることではないので、じっくり時間を掛けてゆっくりとやっていくしかない。」、そう自分に言い聞かせる日々。

2008/09/09

Weissenbornの秘密2

前回国産唯一の中級コピーモデルであるR&BellのStyle2がフレットワイヤーサドルであることに気付いたことを書いたが、以降ずっとその音が気になっていた。
で、ようやくR&BellのStyle2を試奏することができた。
たまたま試したものが、かなり弦が腐っていて、正直店の姿勢を疑ってしまうようなコンディションだったが、それだけ売れそうで売れないような代物かな...と痛感しながら音を出してみる。腐った弦のざらついた感触にスライドバーがうまく滑ってくれないのだが、しかしその分を差し引いても十分魅力的な音がするではないか!フレットワイヤーサドルの効果が、サスティーンを伸ばすだけでなく、ちょっとビビっているような倍音まで加わるようで、私が所有する2台では出ない音がする。音量も結構出るし、本体の作りもかなりいい。弦幅も広い感じがして演奏しやすくも感じた。
興奮を抑えつつ店を出たが、「やはり腐った弦でないものを改めて弾いてみないと、評価するのは危険だ。」と自分を言い聞かせた。まだ真価を理解できてないが、なかなかのモノであることだけは間違いなさそうだ。ちょっと決め手に欠いていた自分の所有ALSだけに、心揺さぶられるものが大きいだけかもしれない。
家に戻って、さっそくネットで使用した感想や評価を載せているサイトがないか調べてみたが、ALSそのものがマイナーな存在なだけにその話題に触れているサイトですらも少なく、結局イマイチ知りたい情報を得ることができなかった。
当然オリジナルとは経年変化の度合いや材が大きく違うので、深みに欠けるのは否めないものの、価格差を考えると当然だと思う。オリジナルの正直粗悪な作りに対して、結構しっかりとした作りは好感が持てるし、Canopusのように頑丈だが音が固い(鳴らない)のとは違ってるのはマホガニーのおかげかな...等々、冷静に分析しているようで、買うための理論武装をしているようで、やばそう...。
今さら、灯台元暗しという感じで、恥ずかしい限りではあるんですがね...。
とにかく、いくつかのショップで状態のいいものを近日中に試してみる予定。かなりやばそう...。

2008/04/26

Tune-Up (Canopus DW6R & Weissenborn)

で、さっそくネットでブラス製サドルを探すが、加工が難しい材料ということもあって、それを売りにしているところはほとんどない。
しかたなく、いろいろと相談に乗ってくれそうなところを探して、作ってもらうことにした。
結局、東京の老舗の楽器屋さんがいろいろと相談に乗ってもらえたので、思い切って2本ともお願いすることにした。
実はCanopusに関しては、ブリッジ側の溝幅とサドルがあってなくて、ガバガバだったので、どうも音がビビリ気味だった。自分で牛骨に交換してみたが、なかなか厚みのあるものが見つけられなくて、解消できてなかった。
それぞれ個体にあわせて製作してもらえたので、まずは丁寧な作りに感激した。ガバガバなんて論外という感じで、ビビリが解消しただけでも得るものが大きい。
肝心のブラス製の効果だが、やはりサスティーンが伸びてくれる。金属的なトーンも加わって、高級コピーモデルに近づいてきたような気がする。特にCanopusは元々高額商品だったのもあるのかもしれないが、いよいよ本格的に良い音になってきてくれたと思う。ボディサイズの関係で低音が弱いのは仕方ないとしても、ボディは鳴りまくってるし、音は潰れてないし、明るいトーンはそのままで、かなりいい。
今回の改造は、一番効果的だったような気がする。
余談だが、国産唯一の中級コピーモデルであるR&BellのStyle2が、オリジナルに近いフレット?のような金属サドルに変更されているではないか。いつの間に!という感じだが、さすがという感もある。目の付け所は間違ってなかったかな。

2008/04/18

Weissenbornの秘密

本物のワイゼンボーンとコナをそれぞれ一度弾いたことはあったが、あまりいい音ではなかったため、最近の中級コピーモデルと大差なしと決め付けてはいた。(昨年11月のCanopusのコメント参照。)
しかし、どうもBen Harperの音を聞いていると、レコーディング環境云々は別としても、伸びやかなサスティーンと深みのある音が出ている。その音は、どうしても中級コピーモデルでは出ず、モヤモヤしてもいた。
そんなところに、たまたま今回渡米する機会があり、懐かしのGruhn Guitarに立ち寄ったところ、これまた偶然だがWeissenbornのStyle3があるではないか。なんとも言えない雰囲気を漂わせていたので、思わずこれを試してみた。すると、完全に今までのモヤモヤがすっきりするような、抜群の鳴りと伸びやかなサスティーンが飛び出してきた。実はたまたま今まで試奏させてもらったものが悪かっただけだったのだ。(楽器は個体差は当然。)思わす購入しそうになる気持ちを、"4850ドル"(約49万)という値札で落ち着かせた。
で、ふと全体を見てみると、サドルにフレット材を使っているのに気付いた。サドル部分が金属のしっかりしたものだと、サスティーンがまったく違うようだ。ホロウネックばかりに目が行きがちだが、それに加えて金属製サドルによってサスティーンを稼ごうとしていた意図が見えてきた。
ワイゼンボーンの音は、
①ホロウネック構造でボディの鳴りを稼ぐ
②金属製サドルでサスティーンを稼ぐ
という2つがセットで成立しているようだ。
そういう見方で、コピーモデルを見てみると、意外にも高級モデルの中にもタスクか牛骨のサドルを使っているものがあるようで、そういうものを弾いた限りではアコギの音の延長線になってしまっていたように思う。
しかしBen Harperが使用しているAsherなど有名アーティストが使用しているものはすべて金属製サドルを使っており、今までそれらを弾く機会に恵まれず、そのことに気付かなかったようだ。
残念ながらうちにある2台はいずれも通常のサドルなので、どうもそのせいで伸びやかな音が出てくれないようだ。
さっそく金属サドルを探してみて試してみることにしよう。
どうなることやら。

2008/03/19

Acoustic Lap Steel1

楽器の魅力を最大限引き出せるようなテクはまだまだ持ち合わせてないが、2本のまるっきりタイプの違うアコースティックラップスティール(Weissenborn SSとCanopus DW6R)をかなり使い込んできたのと、新旧いろいろと試奏してみて、この楽器のいいところと悪いところが見えてきた気がする。

楽器としては、ひざに置いて演奏するということに特化した形状で、スティールギター専用機になっており、とにかく弾いていて気持ちいい。豊かな倍音、伸びやかなサスティーン、フルスケールでダイナミックな音域といったところが魅了だろう。
反面、ラップスティールという楽器の制約ではあるが、コードパターンに制約があるし、型にはまった演奏になりかねない。しかしいろんなオープンコードを試して、自由に楽しんで演奏すればいい。そういう楽器だと思う。かつてこの楽器がハワイアンというジャンルの中に収まっていたのとは、まるっきり違っていて、そういう自由さが今は逆に魅力になっているのだと思う。

2008/03/08

Tune-Up (Canopus DW-6R)

いわゆるKona Style(ホローネックでなく、パーラーギターサイズのボディ)だと、正直大きな音は期待できないが、ボディ鳴りはもっと引き出してあげたいところ。
ペグがうまくボディにはまってなくて、強く弾くとビビリ音まで出るので、そのあたりの改善を図ってみることにした。
ネットでたまたまEZ Pegというブラス製のペグを発見。どうもボールエンドの部分を利用してペグをロックさせる構造になっており、ボディとの密着度も上がるようだ。ただ、ネット上では、金属的な音がするという指摘もあったが、逆に面白そうなので、これに変えてみる事にした。
あまり扱っているところがなく、価格も4000円近くと、ちょっと高額だったが、とにかく購入して、さっそく取り替え作業にかかる。
しかしこれが結構大変で、まず今までの穴サイズだと、ペグがまるっきり入ってくれない。
しかたなく、ダイヤモンドヤスリで少しずつ削って調整してみる。1カ所あたり約1時間近くかかり、結果的にはかなりの根気を要する作業になった。
でも、苦労した甲斐があったようで、ボディ鳴りが抜群に良くなった。音量も出てくれる。
元々ボディがメイプルで、明るいラウドな音がしていたし、作りもしっかりしていたので、ボディ鳴りしてくれると、かなりいい感じの音がする。Weissenbornと比較すると、音量は負けるが、音色はずっとこっちの方が本物に近い気がする。
弾いていて、気持ちよく、楽しい。
Canopusはかなりおすすめだ。